2026/09/24
肥満にはどんな種類がある?内臓脂肪型・皮下脂肪型の違い
「肥満」と聞くと、単純に体重が重い状態をイメージする方が多いかもしれません。
しかし医学的には、BMIだけでなく、脂肪がどこについているか、健康への影響があるか、何が原因で体重が増えているかによって肥満を分けて考えます。
特に重要なのが、内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満の違いです。
① 内臓脂肪型肥満
内臓脂肪型肥満は、腸などの周囲にあるお腹の内側に脂肪が多く蓄積するタイプです。
お腹まわりが大きくなりやすいため、「リンゴ型肥満」と呼ばれることもあります。
内臓脂肪が増えると、
- 2型糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 動脈硬化
などにつながりやすく、皮下脂肪型よりも生活習慣病との関連が強いことが分かっています。[1][2]
そのため、体重だけではなく、お腹まわりや内臓脂肪の程度を見ることも重要です。
② 皮下脂肪型肥満
皮下脂肪型肥満は、皮膚の下に脂肪が多くたまるタイプです。
特に、
お尻・腰・太もも
など下半身を中心に脂肪がつきやすく、「洋ナシ型肥満」と呼ばれることもあります。
皮下脂肪も増えすぎれば体重増加や関節への負担などにつながりますが、同じBMIで比較すると、内臓脂肪型肥満の方が糖尿病や高血圧などを伴いやすいとされています。[2]
つまり、同じ体重・同じBMIでも、脂肪のつき方によって健康への影響は異なります。
③ BMIによっても肥満は4段階に分類される
日本肥満学会では、成人の肥満をBMIによって次のように分類しています。[1]
| BMI | 日本での分類 |
|---|---|
| 25未満 | 普通体重など |
| 25~29.9 | 肥満1度 |
| 30~34.9 | 肥満2度 |
| 35~39.9 | 肥満3度 |
| 40以上 | 肥満4度 |
**BMI35以上は「高度肥満」**と呼ばれます。[1]
なお、国際的なWHO基準ではBMI30以上をobesityとしています。日本では日本人の健康リスクなどを考慮し、BMI25以上を肥満と判定する点が異なります。
「肥満」と「肥満症」は同じではない
ここは意外と知られていません。
肥満=BMI25以上
ですが、BMI25以上だからといって、全員が医学的な「肥満症」になるわけではありません。
日本肥満学会では、BMI25以上の肥満があり、
肥満に関連する健康障害がある
または
内臓脂肪が過剰に蓄積している
場合を「肥満症」と診断します。[1]
つまり、
体重の数字だけを見るのが「肥満」
なのに対して、
健康への影響まで含めて治療が必要と判断するのが「肥満症」
と考えると分かりやすいでしょう。
④ 病気や薬が原因になる「二次性肥満」もある
肥満の多くは、食生活・運動・遺伝的要因・生活環境など複数の要因が関係する原発性肥満です。
一方で、別の病気や薬などが原因となって体重が増える**二次性肥満(症候性肥満)**もあります。
例えば、
- クッシング症候群などの内分泌疾患
- 甲状腺機能低下症など
- 視床下部の病気
- 遺伝性の肥満
- 一部の薬剤による体重増加
などがあります。[1]
そのため、**「最近急に体重が増えた」「食事量が変わっていないのに増え続ける」**という場合には、単純な食べ過ぎと決めつけず、原因を確認することが大切です。日本肥満学会の診断フローでも、肥満を診察する際にはまず二次性肥満の可能性を考えることが示されています。
メタボリックシンドロームとは違うの?
メタボリックシンドロームは単に「太っている」という意味ではありません。
日本では、内臓脂肪の蓄積を示す腹囲が
男性85cm以上・女性90cm以上
で、さらに血圧・血糖・脂質の異常のうち2つ以上を満たす場合にメタボリックシンドロームと診断します。[3]
したがって、
肥満=メタボ
ではありません。
まとめ
肥満は体重だけで判断するものではありません。
特に重要なのは、
① BMIがどの程度高いか
② 内臓脂肪型か皮下脂肪型か
③ 糖尿病・高血圧などの健康障害があるか
④ 肥満の原因となる病気や薬が隠れていないか
という点です。
同じBMIでも健康への影響は人によって異なるため、「何kgまで痩せるか」だけでなく、自分がどのような肥満なのかを確認することが大切です。
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参考文献
[1] BMIによる肥満度、肥満症・高度肥満症、原発性肥満・二次性肥満の分類
日本肥満学会. 肥満症診療ガイドライン2022.
日本ではBMI25以上を肥満とし、BMI35以上を高度肥満と定義しています。また、健康障害または内臓脂肪蓄積を伴う場合を肥満症として診断します。
[2] 内臓脂肪型肥満・皮下脂肪型肥満と健康リスク
厚生労働省 e-ヘルスネット. 肥満と健康.
内臓脂肪型肥満は皮下脂肪型肥満と比べ、糖尿病・高血圧・脂質異常などとの関連が強いことが解説されています。
[3] メタボリックシンドロームの診断基準
厚生労働省 e-ヘルスネット. メタボリックシンドロームの診断基準.