2025/04/01
糖尿病と頸動脈エコー
~あなたの「血管年齢」を知るための大切な検査~
- 頸動脈エコーってどんな検査?
頸動脈(けいどうみゃく)とは、首の左右にある太い血管で、心臓から脳に血液を送る重要な通り道です。
頸動脈エコー検査では、超音波(エコー)を使って、この血管の状態を調べます。
- 動脈硬化(血管の老化や詰まり)の進み具合がわかる
- 血管の壁の厚さや、プラーク(コレステロールの塊)の有無をチェック
- 痛みや放射線の心配はなし(安全な検査です)
- なぜ糖尿病の人にこの検査が大事なの?
糖尿病があると、血管が傷つきやすく、動脈硬化が進みやすいことが知られています。
糖尿病による高血糖は、血管の内側をじわじわと傷つけていき、次のような病気のリスクを高めます:
- 脳梗塞・心筋梗塞などの「血管のつまりによる病気」
- 下肢動脈閉塞(足の血流障害)
- 腎臓病、視力低下なども血流の悪化と関係あり
つまり、糖尿病がある=全身の血管の健康に注意が必要ということです。
- 頸動脈を見ることで、何がわかるの?
頸動脈は「体の動脈の代表選手」とも言われ、ここを調べることで:
- 血管の老化具合(動脈硬化の進み具合)
- 将来の脳梗塞や心筋梗塞のリスク
- 血管のつまり具合やプラークの大きさ
などがわかります。
また、頸動脈の状態は、目には見えない「心臓の血管」や「脳の血管」の状態を予測する手がかりにもなります。
- こんな方におすすめ!
特に以下のような方は、頸動脈エコーを受ける価値があります:
- 糖尿病歴が長い方(5年以上など)
- 血圧が高め/脂質が高めの方
- たばこを吸っている/吸っていた
- 家族に脳卒中や心臓病の人がいる
- 検査で「血管年齢が高め」と言われたことがある
- 検査はどうやってするの?
- ベッドに仰向けになり、首のあたりにゼリーを塗って、エコーの機械でやさしくなぞるだけです
- 10〜20分ほどで終わります
- 痛みや放射線は一切なし、食事制限も不要です
- 検査の結果、何をどう活かすの?
頸動脈エコーの結果は、次のような判断に役立ちます:
- 薬(血圧・コレステロール)の必要性を判断
- 生活習慣(食事・運動)の見直しのきっかけに
- 「今のうちにリスクを減らそう」という予防のチャンス
たとえば、「プラークが少しあるけど、血流は保たれている」とわかれば、
→「薬でこれ以上進まないようにしよう」と前向きに対策ができます。
- まとめ:血糖値だけでなく、「血管」も見る時代
糖尿病の治療では、血糖値をコントロールすることはもちろん大切ですが、
同じくらい大切なのが、「血管を守ること」=合併症を防ぐことです。
頸動脈エコーは、自分では気づけない血管の状態を安全に・簡単に・見える化できる、信頼できる検査です。
🌟こんなときはご相談ください
- 「自分も動脈硬化が進んでいるのかな?」
- 「心筋梗塞や脳梗塞が心配…」
- 「検査は初めてでちょっと不安」
お気軽に、主治医やスタッフにご相談ください。
早めに知って、早めに守る。それが糖尿病治療のコツです。