2026/09/12
ウルトラフォーマーMPTとは?
ウルトラフォーマーMPTは、韓国CLASSYS社が開発したHIFU(高密度焦点式超音波)を利用した医療機器です。
従来のウルトラフォーマーⅢを発展させた新しい世代の機種で、基本となるHIFUの仕組みを引き継ぎながら、MPモード、照射速度、カートリッジの種類、施術できる範囲などが拡張されています。 メーカーもウルトラフォーマーMPTをウルトラフォーマーシリーズの最新世代として位置づけています。
梶山内科クリニックでは、たるみ・フェイスライン・二重あご・肌のハリなどの治療にウルトラフォーマーMPTを使用しています。
ウルトラフォーマーMPTとウルトラフォーマーⅢの一番大きな違いは?
一番分かりやすい違いは、エネルギーの照射方法が増えたことです。
従来のウルトラフォーマーⅢでは、基本的に狙った深さへ熱凝固点を並べる「点状」の照射を行います。
ウルトラフォーマーMPTでは従来型の**Normalモード(Dotモード)**に加えて、**MPモード(Micro-Pulsed Technology)**を使用できます。
Normalモードは熱凝固点を狙った位置へ点状に形成するのに対して、MPモードでは細かなエネルギーを連続的に届け、より広い範囲を加熱する設計になっています。
つまり、
Normalモード → 狙った場所へ点状にしっかり熱を加える
MPモード → 細かく連続したエネルギーで比較的広い範囲へ熱を加える
という使い分けができます。
どちらか一方が優れているのではなく、治療部位や目的によって使い分けられることがMPTの特徴です。
MPモードは施術時間も速くなっています
ウルトラフォーマーMPTの大きな改良点の一つが照射速度です。
メーカーによると、MPモードではNormalモードの約2.5倍の速度で超音波エネルギーを届けることができるとされています。
全顔HIFUでは数百ショットを照射することもあるため、照射速度が速くなることで治療時間を短縮しやすくなります。
ただし、「速い=雑に照射する」という意味ではありません。
HIFUでは、顔の部位によって脂肪の厚みや神経・血管の位置が異なるため、どこに、どの深さで、どの程度照射するかを判断することの方が重要です。
1.5mm・2.0mm・3.0mm・4.5mmを使い分ける
ウルトラフォーマーMPTでは、顔用として複数の深さのカートリッジが用意されています。
代表的には、
1.5mm:皮膚表面に近い浅い層
2.0mm:真皮を中心とした浅い層
3.0mm:真皮深層~皮下組織
4.5mm:より深い皮下組織・筋膜周辺
などを目的に応じて使い分けます。
メーカーの仕様では顔用に1.5・2.0・3.0・4.5mm、ボディ用に6.0・9.0・13mm、さらにBooster用に1.5・3.0・4.5mmが用意され、合計10種類の交換式カートリッジがあります。
顔のたるみは一つの深さだけで起こるわけではありません。
そのため当院では、深い層だけを一律に照射するのではなく、治療する部位に応じて複数の深さを使い分けます。
「4.5mmをたくさん打てばよい」という治療ではありません
HIFUというと「SMAS筋膜まで4.5mmで照射すること」が強調されることがありますが、実際の顔の組織の厚みは部位によって大きく異なります。
ウルトラフォーマーMPTを使用した50例の研究でも、額・目尻・頬・ジョール・フェイスライン・首などで組織の厚さが異なり、部位に合わせた深さや照射方法の選択が重要であることが示されています。特に顔の中央部には神経が走るため、深い照射には注意が必要とされています。
つまりHIFUでは、
ショット数が多いほど良い
あるいは、
深い4.5mmを多く打つほど良い
というわけではありません。
顔の脂肪量・皮膚の厚み・神経の位置などを考えて照射することが重要です。
MPTでは治療できる目的も広がっています
ウルトラフォーマーMPTでは、従来のフェイスラインやたるみ治療だけでなく、カートリッジと照射モードを使い分けることで、より浅い層への治療も行えます。
当院では目的に応じて、
ハイフリフト
→ 頬・フェイスライン・二重あごなど、たるみをしっかり治療
ハイフシャワー
→ 比較的浅い層を治療し、肌のハリ・小じわ・目元などへアプローチ
ハイフブースター
→ ペン型カートリッジを利用して、より浅い層の肌質治療
というように使い分けています。
MPTでは通常のFタイプに加え、円状にエネルギーを届けるBoosterタイプのハンドピース・カートリッジが追加されていることも、従来機との大きな違いです。
実際にウルトラフォーマーMPTの効果は研究されている?
ウルトラフォーマーMPTを使用した臨床研究も出てきています。
2024年に報告された50例の研究では、施術直後の3D解析で、額・目尻・頬・ジョール・フェイスライン・首など7つの顔面部位すべてでリフト変化が確認されました。特に後方頬、フェイスライン、首で比較的大きな変化が報告されています。
また、別の研究ではウルトラフォーマーMPTの2.0・3.0・4.5・6.0mmなど異なる深さの照射について、コラーゲンや弾性線維、脂肪組織への影響が組織学的に検討されています。
ただし、ここは大切な点です。
「ウルトラフォーマーMPTがウルトラフォーマーⅢより必ず高いリフト効果を出す」と証明する十分な直接比較データがあるわけではありません。
MPTの明確な進化点は、
MPモードが追加されたこと
照射速度が向上したこと
照射パターンの選択肢が増えたこと
カートリッジ・Boosterの選択肢が増えたこと
です。
HIFUの結果は機械の新しさだけでなく、適応・ショット数・照射部位・深さ・出力にも左右されます。
ウルトラフォーマーⅢとMPTの違いをまとめると
| ウルトラフォーマーⅢ | ウルトラフォーマーMPT | |
|---|---|---|
| 基本原理 | HIFU | HIFU |
| 主な照射 | 点状照射 | Normal+MPモード |
| 照射速度 | 従来型 | MPモードではより高速 |
| 深さの選択 | 複数あり | 複数あり |
| Booster | ― | あり |
| 照射パターン | 主に従来型 | 線状・円状など選択肢拡大 |
| 治療目的 | リフト・引き締めなど | リフト+浅い層・肌質治療まで選択肢拡大 |
つまり、ウルトラフォーマーMPTはHIFUそのものを全く別の治療にした機械ではなく、従来のウルトラフォーマーのHIFUを、より速く、より多様な方法で使えるよう進化させた機種と考えるのが分かりやすいでしょう。
当院ではウルトラフォーマーMPTを使用しています
梶山内科クリニックでは、ウルトラフォーマーMPTを使用し、顔の状態やお悩みに合わせて照射範囲・深さ・ショット数を調整しています。
「フェイスラインをしっかり引き締めたい」「頬のもたつきを改善したい」「目元や肌のハリが気になる」など、目的によって適した治療方法は異なります。
また、皮膚のもたつきやハリをさらに広く治療したい場合には、HIFUだけでなくボルニューマとの組み合わせをご提案することもあります。