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食後血糖が高いのに空腹時血糖は正常なのはなぜ?

食後血糖が高いのに空腹時血糖は正常なのはなぜ?

健康診断では空腹時血糖が正常だったのに、食後に血糖値を測ると高かったという方がいます。

これは珍しいことではなく、糖尿病の初期や「耐糖能異常」と呼ばれる段階では、空腹時血糖より先に食後血糖が高くなることがあります。

「空腹時血糖が正常だから糖尿病の心配はない」とは限りません。

食後血糖とは?

食事をすると、炭水化物などから吸収されたブドウ糖によって血糖値が上昇します。

健康な方では、血糖値が上がると膵臓からインスリンが速やかに分泌され、ブドウ糖を筋肉や肝臓などに取り込むことで血糖値を下げます。

ところが、インスリンの分泌が遅れたり、インスリンが効きにくくなったりすると、食後の血糖値だけが大きく上昇することがあります。

なぜ空腹時血糖は正常なのに食後血糖だけ高くなるの?

1.食後のインスリン分泌が遅れている

2型糖尿病の比較的早い段階では、食事をした直後に必要なインスリンを素早く分泌する力が低下することがあります。

そのため、空腹時には血糖値を正常範囲に保てていても、食後に入ってくるブドウ糖を処理しきれず、食後血糖だけ高くなることがあります。

こうした状態は、糖尿病になる前の段階からみられることがあります。

2.インスリンが効きにくくなっている

肥満、運動不足、内臓脂肪の増加などによって、インスリンの作用が低下することがあります。これをインスリン抵抗性といいます。

インスリン抵抗性があると、食後に上昇した血糖値を十分に下げにくくなります。

初期には膵臓がより多くのインスリンを出すことで空腹時血糖を正常に保てる場合がありますが、食後には高血糖が目立つことがあります。

3.耐糖能異常の可能性

空腹時血糖が糖尿病の基準に達していなくても、ブドウ糖を飲んだ後の血糖値だけが高くなることがあります。

これを**耐糖能異常(IGT)**と呼び、いわゆる糖尿病予備群の一つです。

75gOGTTでは、75gのブドウ糖を飲んだ2時間後の血糖値が

  • 140mg/dL未満:正常型
  • 140~199mg/dL:境界型(耐糖能異常)
  • 200mg/dL以上:糖尿病型

となることがあります。

ただし、糖尿病の診断は1回の検査だけで決めるものではなく、他の血糖値やHbA1c、症状なども合わせて判断します。

詳しくは、
75gOGTTとは?糖尿病・糖尿病予備群を詳しく調べる検査
をご覧ください。

食後血糖は食事内容によっても変わる

食後血糖は、食べたものによって大きく変わります。

特に、

  • 白米やパン、麺類を多く食べた
  • 甘い飲み物やお菓子を摂った
  • 炭水化物中心の食事だった
  • 短時間に多く食べた

といった場合には血糖値が上がりやすくなります。

また、睡眠不足、ストレス、感染症、運動不足などによって一時的に血糖値が上がることもあります。

そのため、1回だけ食後血糖が高かったからといって糖尿病と判断することはできません。

HbA1cが正常なら大丈夫?

HbA1cは過去1~2か月程度の平均的な血糖状態を反映する指標ですが、食後だけ一時的に血糖値が高くなる初期段階では、HbA1cがそれほど高くならない場合があります。

反対に、空腹時血糖が正常でもHbA1cが高い場合には、食後高血糖が影響している可能性があります。

詳しくは、
HbA1cが高いのに空腹時血糖は正常なのはなぜ?
も参考にしてください。

空腹時血糖はいくつから注意が必要?

空腹時血糖も糖尿病を判断する重要な検査です。

一般に空腹時血糖は、

100mg/dL未満、100~109mg/dL、110~125mg/dL、126mg/dL以上

で意味が異なります。

詳しくは、
空腹時血糖100・110・126mg/dLの違いは?
で解説しています。

家庭で食後血糖が高かったら糖尿病?

家庭用血糖測定器や持続血糖測定器(CGM)で食後血糖が高く表示されることがありますが、家庭で測定した血糖値だけで糖尿病を診断することはできません。

また、

「食後1時間なのか2時間なのか」
「何をどれくらい食べたのか」

によって血糖値は大きく変わります。

食後血糖が繰り返し高い場合は、医療機関で空腹時血糖やHbA1cを調べ、必要に応じて75gOGTTを行うと原因が分かりやすくなります。

こんな方は一度検査をおすすめします

特に次のような方は、空腹時血糖が正常でも一度詳しく調べる価値があります。

  • 食後血糖が繰り返し高い
  • HbA1cが高めと言われた
  • 健康診断で血糖値や尿糖を指摘された
  • 糖尿病の家族歴がある
  • 肥満や内臓脂肪がある
  • 高血圧や脂質異常症がある
  • 妊娠糖尿病の既往がある

喉が異常に渇く、尿量が増える、原因不明の体重減少などがある場合にも血糖値の確認が必要です。

糖尿病の初期症状|喉が渇く・尿が多い・体重減少などの症状を解説

どんな検査をする?

まずは、

空腹時血糖・HbA1c・尿検査

などを確認します。

結果によっては、75gOGTTを行い、空腹時だけでは分からない食後の血糖上昇を詳しく調べます。

実際の診察内容については、
糖尿病の初診ではどんな検査をする?
をご覧ください

まとめ

空腹時血糖が正常でも、食後血糖が高くなることはあります。

特に糖尿病の初期や耐糖能異常では、空腹時血糖より先に食後高血糖が現れることがあります。

そのため、

「健康診断の空腹時血糖が正常だったから大丈夫」

とは必ずしも言えません。

食後血糖が繰り返し高い場合や、HbA1cが高めの場合には、空腹時血糖・HbA1cを確認し、必要に応じて75gOGTTなどで詳しく調べることが大切です。

梶山内科クリニックでは、健康診断で血糖値やHbA1cを指摘された方、食後高血糖が心配な方の診察・検査を行っています。

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