2026/09/21
マンジャロと膵炎には関係がある?
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、GIP受容体とGLP-1受容体の両方に作用する薬剤です。
マンジャロ使用中に注意すべき重大な副作用のひとつとして急性膵炎があります。日本の添付文書でも、急性膵炎が重大な副作用として注意喚起されています。[出典1]
ただし、「マンジャロを使用すると膵炎になりやすい」とまでは、現在の研究では確認されていません。
2026年に発表された19件のランダム化比較試験、合計15,471人を解析したメタ解析では、急性膵炎の発症は**0.22%**とまれでした。また、5mg、10mg、15mgを比較しても明らかな用量依存性は認められませんでした。[出典2]
17件の臨床試験、14,645人を対象とした別のメタ解析でも、チルゼパチドによる膵炎の発症リスクは、プラセボと比較して統計学的な増加を認めていません。[出典3]
そのため、現在の医学的な位置づけは、
「膵炎はまれに起こる可能性があるため注意が必要だが、マンジャロによって発症率が明確に上昇するとは証明されていない」
と考えるのが適切です。
リパーゼが高い=膵炎ではありません
マンジャロ使用中には、血液検査でリパーゼやアミラーゼといった膵酵素が上昇する場合があります。
しかし、膵酵素が高いだけで急性膵炎と診断するわけではありません。チルゼパチドでは膵酵素の上昇がみられる一方、臨床的な膵炎の明らかな増加は認められなかったことが報告されています。[出典3]
注意したいのは、持続する強いみぞおちの痛み、背中に広がるような痛み、吐き気・嘔吐などです。
日本の添付文書でも、嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛などがみられた場合には、使用を中止して速やかに診断を受けるよう注意されています。[出典1]
まとめ
マンジャロによる急性膵炎は頻度の高い副作用ではありませんが、見逃してはいけない副作用のひとつです。
必要以上に怖がるのではなく、症状や既往歴を確認しながら適切に使用することが重要です。
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出典・参考文献
[出典1] PMDA. マンジャロ皮下注 添付文書。急性膵炎を重大な副作用として記載。
[出典2] Benny O, et al. Dose-response analysis of tirzepatide and acute pancreatitis: An international systematic review and quantitative meta-analysis of randomised trials. Pancreatology. 2026;26:552-565. DOI: 10.1016/j.pan.2026.03.021.
[出典3] Kamrul-Hasan ABM, et al. Pancreatic Safety of Tirzepatide and Its Effects on Islet Cell Function: A Systematic Review and Meta-Analysis. Obes Sci Pract. 2024.