2026/09/10
マンジャロ使用中の食事のコツ|タンパク質・炭水化物・脂質の取り方を解説
マンジャロを使用している方から、
「食欲がないときは食べなくてもいい?」
「炭水化物は抜いた方が痩せる?」
「筋肉を落とさないためには何を食べればいい?」
といった質問をよくいただきます。
マンジャロ(チルゼパチド)を使用すると、食欲が低下して以前より少ない量で満腹になることがあります。
しかし、食事量を減らせば減らすほど体重減少に良いというわけではありません。
極端に食事量が減ると、タンパク質やビタミン・ミネラルなどが不足し、筋肉量も減少する可能性があります。
GLP-1関連薬を使用した減量では、食事内容だけでなく、十分なタンパク質摂取と筋力トレーニングによって筋肉をできるだけ維持することが重要とされています。
1.タンパク質を優先して食べる
マンジャロで食欲が低下すると、ご飯だけ、パンだけ、麺だけなど、食べやすいものだけで食事を済ませてしまうことがあります。
しかし減量中は、特にタンパク質を不足させないことが重要です。
魚、鶏肉、赤身肉、卵、豆腐・納豆などの大豆製品、牛乳、ヨーグルトなどを意識して取り入れましょう。
減量中のタンパク質量としては、1日1.2~1.6g/kg程度が提案されています。ただし、肥満のある方で現在の体重をそのまま使うと必要量を過大評価する可能性があります。
そのため専門家の提言では、分かりやすい目安として1日80~120g程度のタンパク質を設定する方法も提案されています。年齢、体格、腎機能、筋肉量などによって適切な量は変わるため、全員が同じ量を取る必要はありません。
特に腎機能が低下している方は、高タンパク食が適さない場合があるため医師に相談してください。
1食あたりではどのくらい?
例えば1日80~90gを目標とする場合、3食に分けて1食20~30g程度を意識すると分かりやすくなります。
目安として、
| 食品 | タンパク質の目安 |
|---|---|
| 鶏むね肉100g | 約20~25g |
| 魚1切れ | 約15~20g |
| 卵1個 | 約6g |
| 納豆1パック | 約7~8g |
| 豆腐150g | 約10g |
| ギリシャヨーグルト1個 | 約10g前後 |
食欲が少ない方は、食事の最初にタンパク質を食べるのがおすすめです。
満腹になってから肉や魚を残してしまうより、「魚・肉・卵など→野菜→主食」の順番で食べる方が必要な栄養を確保しやすくなります。
2.炭水化物を完全に抜く必要はありません
「マンジャロを使っているなら、ご飯を食べなければもっと痩せるのでは?」
と考える方もいます。
しかし、炭水化物を完全に抜く必要はありません。
ご飯、パン、麺類などを極端に制限すると、総エネルギー摂取量が少なすぎたり、運動時のエネルギーが不足したりすることがあります。
おすすめは、
タンパク質+野菜+適量の主食
という組み合わせです。
例えば、
魚+野菜+ご飯
鶏肉+サラダ+ご飯
卵+ヨーグルト+少量のパン
などです。
逆に注意したいのは、炭水化物そのものよりも、ジュース、砂糖入りコーヒー、菓子パン、お菓子、アイスなどから摂取する糖質やカロリーです。
マンジャロで食事量が減っていても、飲み物や間食からカロリーを取っていると、体重減少が停滞する原因になることがあります。
3.脂質は「量と種類」に注意
脂質も身体に必要な栄養素なので、完全に除く必要はありません。
ただし、マンジャロでは吐き気や胃もたれなどの胃腸症状が起こることがあるため、
揚げ物、脂身の多い肉、クリームを多く使った料理、大量のファストフード
などは控えめにした方がよいでしょう。
魚、ナッツ、オリーブ油などを適量取り入れる程度であれば問題ありません。
4.「以前と同じ量」を無理に食べない
マンジャロ使用中に非常に重要なのが、満腹になったら食事をやめることです。
以前は定食を全部食べられていた方でも、マンジャロ開始後は半分程度で満腹になることがあります。
そこで、
「いつもの量だから」
「残したらもったいないから」
と無理に食べると、吐き気、胃もたれ、腹部膨満感につながることがあります。
食べにくい場合には、1回の食事量を減らして、必要に応じて3食を4回程度に分ける方法もあります。
5.食欲がほとんどない日はどうする?
マンジャロ開始直後や増量後に、
「今日はほとんど食べたくない」
ということがあります。
1日程度食事量が少ないだけなら大きな問題にならないこともありますが、極端に少ない食事が何日も続くのはおすすめできません。
そのような日は、量よりも栄養密度を意識します。
例えば、
卵、豆腐、ヨーグルト、牛乳、魚、スープなど、少量でもタンパク質や栄養を取れる食品
を選ぶとよいでしょう。
固形物が食べにくい場合でも、水分はしっかり取ることが重要です。
食事も水分もほとんど取れない状態が続く場合は、次回の受診日まで待たず医療機関へ相談してください。
6.水分不足にも注意する
マンジャロで食事量が減ると、食事から自然に摂取していた水分も減ります。
さらに下痢や嘔吐があると、脱水のリスクが高くなります。
一度に大量の水を飲む必要はありませんが、水やお茶などを少量ずつこまめに取ることを意識してください。
特に、
尿量が少ない、口が非常に渇く、立ちくらみがする、強い倦怠感がある
場合には脱水の可能性があります。
チルゼパチド使用時に下痢や嘔吐、食欲不振が続く場合は、十分な水分摂取と早めの医療機関への相談が推奨されています。
7.野菜・果物も忘れない
食事量が減ると、タンパク質だけでなく、食物繊維やビタミン・ミネラルの摂取量も減りやすくなります。
野菜、きのこ、海藻、果物なども適量取り入れてください。
特に便秘がある場合には、水分を確保したうえで食物繊維を取ることが重要です。
ただし、吐き気や胃もたれが強い時期に大量の生野菜を食べると、かえってお腹が苦しくなることもあります。体調に合わせて、スープや温野菜など食べやすい形にするのもよい方法です。
1日の食事例
難しく考える必要はありません。
朝
卵+ヨーグルト+少量のパンまたはご飯
昼
魚または鶏肉+野菜+適量のご飯
夜
豆腐・魚・赤身肉など+野菜+適量の主食
食欲が少ない場合には、
タンパク質 → 野菜 → 主食
の順番を意識し、途中で十分満腹になれば無理に全部食べる必要はありません。
体重が減ればそれで成功ではない?
マンジャロによる減量では体脂肪が大きく減少しますが、減った体重のすべてが脂肪ではありません。
SURMOUNT-1の体組成解析では、チルゼパチドによる減少体重の約75%が脂肪量、約25%が除脂肪量でした。
つまり10kg体重が減った場合に、単純計算で「10kgすべて脂肪が減った」と考えることはできません。
そのため、
体重を落とすこと+筋肉をできるだけ維持すること
の両方が重要です。
タンパク質をしっかり取るだけでなく、スクワットなどの筋力トレーニングを週2~3回程度取り入れることも検討してください。GLP-1関連薬を使用した減量についても、適切なタンパク質摂取とレジスタンストレーニングを組み合わせることが推奨されています。
まとめ
マンジャロ使用中の食事で大切なのは、単純に食事量をできるだけ減らすことではありません。
特に意識したいのは、
タンパク質を優先すること、炭水化物を極端に抜かないこと、脂っこい食事を控えること、満腹になったら無理に食べないこと、水分・野菜・ビタミン類も不足させないことです。
マンジャロによって食欲が大きく低下している場合には、少ない食事量の中で**「何を食べるか」**がより重要になります。
また、体重だけでなく筋肉量をできるだけ維持するため、食事と筋力トレーニングを組み合わせることも大切です。
京都でマンジャロ治療をご検討の方へ
梶山内科クリニックでは、京都市下京区で対面・オンラインによる肥満・ダイエット外来を行っています。
マンジャロによる治療だけでなく、食事や生活習慣についても確認しながら治療を行っています。